今年映画館で見るべき映画ナンバーワン

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今更ながら ボヘミアンラプソディー を見てきた。上映前からずっと気になっていたのだけれど、Dolby Atmos*1 で見たかったため、映画館や上映回が限られるなどありクリスマスイブになってしまいました。フレディマーキュリーの半生をメインに描かれるドキュメンタリー&ミュージカル映画で、ネタバレもクソもないと思っているのでガンガン内容についても触れながら書きたいと思います。

書いている人の嗜好

Twitterではアラサー女子のリアルすぎて見たくないところまで晒しているわたしですが、音楽の好みについては完全にアラフィフ拗らせおじさんです。ハードロック・ヘビーメタルを偏愛、ドンシャリなベース大好き。FavoriteはGNR。余談ですが、アクセルがNo1だと思うバンドのリードマンはフレディらしい。

QUEENについては一般教養レベルの浅い知識とJewels 2枚を舐めた程度。わたしの母がQUEEN好きだったのでThe show must go onを告別式で流したところ、一部の教養あるご来場の方を除き、会場を微妙な空気にさせたことは記憶に新しい。

劇中にも出てくるのだけれども、QUEENはロックという括りではあるものの、formulaはなくタイトルであるボヘミアンラプソディーのようにオペラを交えたものから、キラークイーンのような甘くアンニュイな曲調のものもある。ここらへんはロックとはみたいな面倒な話になるので割愛するけれども、佐伯はロック好きでしょ?QUEENもだいたい知ってるんでしょ?みたいな雑な話をしてくる人はちょっと黙れと言いたくなるのだ。

QUEENは素晴らしいバンドであることは百も承知であるけれども、わたしの中では迂闊に手を出せないバンドでもある。そこは絶対に沼であり、自分の生まれた時代を後悔することになると分かりきっているからだ。

ごちゃごちゃと書いたけれども、映画の感想をここからは書いていく。再三にはなるけれども、QUEENについては大学の一般教養でやるレベルの浅い知識しかない。そんな欧米のロックを愛するアラサー視点の感想だと思って生暖かい目で見て欲しい。

Dolby atmosはいいぞ

au Mondayを駆使して1300円で見ることが出来ました。普通のと200円しか変わらないのに音が適切な場所から適切な音量で鳴っていて軽く脳がバグる。幸せな混乱。特にこの映画はラストのライブエイドが見せ場なのですが、迫力がすごい。わたしは映画館で見る映画とTVやBlu-rayになってからでいいやという映画とを割と線引きするのですが、間違いなく映画館で大音量大画面で見るべき場面、平成ナンバーワン

20分近くにも渡るライブエイドはボヘミアンラプソディーや伝説のチャンピオンなど含む素晴らしいセットリストであり、会場の熱気も伝わる素晴らしいカメラワークだし、彼らほんとうに俳優なの?と思うほどのライブパフォーマンス。

ライブエイド以外も誰もが聞いたことのあるようなQUEENの名曲がふんだんに使われているので良い音響で見た方がいいに決まっている。

 

フレディの栄光と孤独

一言で言ってしまえばこれに尽きる映画だったと思うのですが、スターになって大勢が周りにいてみんながちやほやしてくれるけれども孤独。それを紛らわすための破壊的な行動という悪循環。

加えて彼はセクシャルマイノリティーだったため、「家族」や「愛」についても深く悩むことになります。バンドは家族のように大切な存在だけれども、メンバーには妻子がいて社会的な家族が存在する。一時はプロポーズをするほどのガールフレンドがいたものの、彼のバイセクシャルという性的嗜好から結婚というところには至らず彼女は家庭を持つことになります。とはいえ、フレディを見放すことなくもはやソウルメイト。

メアリーに会いたいと電話しながらも男子トイレに入り行くおじさんから目が離せなくなるフレディはなかなかドキッとするシーンだった。

自分語りを混ぜてしまい恐縮ですが、母が亡くなって機能不全家族に近しくなってしまって家を出ることにしたわたしに父が「家族なのにそんなことが許せず出ていくのか」という言葉をぶつけてきたことがあった。

「そんなこと」と思うことすらやってくれなかったことや、家族らしいことをしてくれないのに都合よく「家族」という言葉を免罪符のごとく持ち出すことに本当に腹が立ち、家を出る決意は固いものとなって今に至っている。まあ最低限は会うんだけどね。

こんな形式上の家族しかいないことよりも、QUEENのバンドのメンバーのように「家族のように思い合える存在」がいる方が余程幸せなんじゃないかなとも思った。比較するもんじゃないんだけれども。

 

すごーくまとめにくいのだけれども、誰もが知っているQUEEN、フレディマーキュリーについて深く知りたいきっかけとなればいい映画だなと思った。ショッキングな死は記憶として残りやすく有名なものの、そちらばかりが覚えられていてもフレディが浮かばれない。

欲を言えば、病がわかってからの制作活動も見たかったけれどもフレディの死に様ではなく生き様を描いた映画であるなら満点だと思う。

 

蛇足

時系列が違うとか言われているようだけれども、ブライアンメイが良いって言ってんだから良いんだよ!!という気持ちである。

そしてブライアンメイ役の人、マジでブライアンメイにしか見えないくらいそっくりで最高だった。