パスタだけを頼むこと

一酒飲みとして触れておきたいこの話題。ちょっとした二部構成になっているので読み始めた人は最後まで読んでもらえると有難いです。

 

 

お客をSNSで晒しているという事実は常識を疑う。

親子が本当におなかが空いていなかったのか、予算をオーバーしていたのかは本人にしかわからないので、どちらの場合もありえるとしておこう。まあ、それは大した問題ではない。

パスタが食べたかった人にコンセプトを説明して量の調整や季節の料理を説明して召し上がってもらったってなんかもうそれ傲慢にしか思わないな……。くどくどと厭味ったらしく説明されてしぶしぶ頼んだご飯なんて美味しくない。お店側の勉強してほしいという気持ちよりも気恥ずかしい思いをしたことが強く残る残念な結果だと思いました。

わたしもいろいろなお店に連れて行ってもらって「こういう感じのお店ではこういう風に頼まないとちょっと場違いなんだな」という感覚は掴んできたつもりなのですが、それでも「思ったより高いな」というお店に入ってしまったり、「思ったよりがっつりとコースのように食べなきゃいけないところなんだな」となってしまったりすることはある。そういう時はお手頃なものを数品食べて2杯くらい飲むだけになるんですが、いやな接客を受けたことはない。

ボーナス出たら行こうとか、恋人の誕生日に連れてきてあげようとかそんな感じになる。そしてそこにはそういう時に行けばいいのだとなる。

でもきっと、押し付けられた親子はそうはならない。お店にとっても機会損失でしょう。その子が初任給を握りしめて家族で行くレストランはそのレストランではない。

 

と、まあここまでは見ず知らずのレストランの人が書いたTweetを読んだ感想。彼の書き方に悪意を感じ取ったためにこのような感想を抱いたけれども、近しい体験をしたことがある。

 

とある住宅地の個人経営の居酒屋さん。今は閉店してしまった。ファミリー層もたくさん住むその町で、アットホームな雰囲気で、季節の野菜料理を中心に何を食べても大体おいしいお店だった。そんなお店なのでもちろんファミリーもたくさん来る。

ここでも同じように、親子で水とパスタ2皿問題は発生していた。それも頻発。

店主は常連達にはこっそり嘆いていたけれども、決してその注文を断ることはなかった。

ほどなくして、パスタは値上がりしてしまった。

わたしは「大体どんなのがいいか言ってくれれば作るよ」と、マスターがその時その時に作ってくれる、しかもお手頃なパスタが大好きだったけれども頼む機会が少なくなってしまった。

そして、最終的にパスタはメニューから消えてしまった。

 

どうすれば正解だったのかは、わたしは未だにわからない。